静岡県浜松市の舘山寺は、浜名湖東側の山腹に位置する名刹で、知恵の仏様である虚空蔵菩薩を本尊とし、火伏せの神である秋葉三尺坊大権現を鎮守として祀っています。境内には恋愛成就のご利益があるという「縁結び地蔵」があり、山麓の「舘山寺温泉」ともども「恋人の聖地」に認定されています。また寺院からは古墳の石室に祀られた眼病平癒の「穴大師」を経て山頂の全長10メートルの大観音に至る遊歩道もあります。
舘山寺へのアクセス方法と駐車場
所在地 静岡県浜松市中央区舘山寺町2231
電話番号 053-487-0107
舘山寺は東名高速道路の浜松西インターチェンジから車で15分ほどの距離です。
駐車場は舘山寺の下に有料駐車場が用意されていますが、ここは入庫から30分まで駐車料金無料ですので、ちょっとした参拝だけであれば特にお金を支払う必要がありません。
ほかにも舘山寺温泉の門前通りには観光用の無料駐車場が用意されています。
バスであればJR浜松駅を降りて遠州鉄道バスに乗って約45分、「舘山寺温泉」バス停で下車します。舘山寺は舘山寺温泉街のはずれにあるので、バス停からは徒歩5分ほどかかります。
舘山寺の御朱印
舘山寺の御朱印は、駐車場から階段を上がった先にある授与所でいただくことができます。志納金は300円です。
墨書きの部分は「秋葉三尺坊大権現」となっています。
ほかにもお守りなどの数々が頒布されています。
舘山寺門前通りのカフェ・飲食「HAMANAKO ENGINE」
舘山寺の門前はかんざんじ温泉街となっており、温泉を楽しむことができるほか、浜名湖遊覧船の乗り場もあり、湖上から舘山寺の風景を見ることもできます。
この舘山寺温泉の門前通りに新たにオープンした飲食店やカフェの複合施設が「HAMANAKO ENGINE」です。
うなぎエキス入りの「うなタレみたらしだんご」をはじめとするスイーツが楽しめる甘味処、居酒屋、レンタサイクルショップなどが入居しておりにぎわいをみせています。
舘山寺のあらまし
舘山寺の歴史や諸尊のいわれなどについて、現地の案内板には次のように書かれています。
曹洞宗 秋葉山 舘山寺
・平安時代・弘仁元年(八一〇)弘法大師が高野山より仏道行脚の際、舘山を訪れて当地において修行し、その際に開創。旅する人々の心を清める寺として、山紫水明のこの地を選んだといわれている。
・鎌倉時代・文治三年(一一八七)兵火により焼失したが、源頼朝公がこの地を訪れ道中安全・武運長久の祈願寺として諸堂を再建した。(頼朝の建立した諸堂や寺宝は元中元年(一三八四)に再び兵火により焼失)
・南北朝時代・貞治年間(一三六二~六八)堀江城(遊園地パルパル、ホテル九重付近)の城主として当地に赴任した大沢氏の要請により城主の祈願寺として、以後五百年間守られる。
・江戸時代・慶長三年(一五八九)徳川家康公より御朱印判物を賜り東海の名刹として繁栄した。
・明治三年(一八七〇)新政府の神仏分離令(廃仏棄釈)により廃寺となる。
・明治二三年(一八九〇)再興が認められ秋葉の火祭りで有名な秋葉山・秋葉寺住職・牧泰禅和尚を招請し、秋葉寺の出張所を持ってくるという名目で再興した。その際に秋葉三尺坊を舘山寺でも祀ることになり、山号も「中嶺山」を「秋葉山」に改め真言宗の伝統を引き継ぎながら 曹洞宗の祈願寺として今日に至る。・本尊 福一万願虚空蔵菩薩(丑・寅年の守り本尊で福徳と知恵を授けてくれる仏様)
・鎮守 秋葉三尺坊大権現(火防)当寺では毎年十二月十五日秋葉の火祭りが行われます。
・縁結び堂(良縁成就)明治より伝わる舘山寺縁結び地蔵尊。本堂左隣りの小さなお堂。「心に鍵」の当寺の伝統的な絵柄の絵馬で有名。
・穴大師(眼病平癒・心願成就)ここより徒歩三分の山腹にある一五〇〇年前の横穴式古墳。弘法大師の自作の石像を安置。弘法大師が舘山寺開創の際ここで二十一日間修行した。眼病平癒の功徳あり。めのお大師さん。
・大観音(舘山寺聖観世音菩薩)昭和一〇年建立。一六メートル。美しい顔だちとお姿の観音様。ここより五分。