三井寺は滋賀県大津市にある天台寺門宗の総本山です。朱鳥元年(686年)に開基され、入唐を果たした円珍が中興したこの寺は、比叡山延暦寺の「山門」に対して「寺門」とよばれ、大きな勢力を誇りました。豊臣秀吉によりいったんは廃絶しますが後に建物が再興され、寺の中心にあたる金堂は国宝に指定されています。同寺に秘仏として伝わる仏画の「黄不動」も国宝です。
三井寺のアクセス方法や駐車場情報
三井寺は比叡山のふもとに位置してはいるものの、同時に大津市役所をはじめとした現在の大津市の市街地とも近接しています。そのため徒歩・自動車のどちらであってもアクセスは可能です。
マイカーやレンタカーで三井寺に行く場合は、名神高速道路の京都東インターチェンジから約10分ほどです。京都東インターチェンジからそのまま西大津バイパスに乗り、皇子山ランプで降ります。三井寺のの有料駐車場は普通車500円です。駐車場には係員がいて、その場での支払いとなるので、小銭は事前に用意しておいたほうがよいでしょう。
公共交通機関の場合、京阪電車の石山坂本線の三井寺駅で下りて、歩いて10分ほどになります。または、JR東海道本線の大津駅から京阪バスに乗って、三井寺バス停で下車してすぐです。
三井寺の見どころや拝観料
三井寺の拝観料は大人600円、中高生300円、小学生200円で、30名以上の団体になると団体割引が適用されます。拝観時間は午前8時から午後5時までの年中無休です。ただし、指定文化財収蔵庫は午前8時30分から午後4時30分まで、受付終了は午後4時となっています。拝観料は大門の脇にある券売所で拝観券との引き換えになります。
三井寺境内をすべて巡るにはおよそ1時間ほどかかります。三井寺の見どころはいろいろとありますが、まずは国宝の金堂があります。こちらは靴を脱いでそのまま堂内に入って仏像を拝観することができるようになっています。
金堂の周囲には樹齢千年といわれる「天狗杉」、天智天皇・持統天皇・天武天皇の3代の産湯に使われ、三井寺の名前の由来にもなったという「閼伽井屋」の井戸などもあります。金堂脇から階段を上がった先には「弁慶の引き摺り鐘」とよばれる、弁慶伝説にからんだ古鐘が掲げられています。
さらに高い位置にある唐院伽藍は、四脚門や三重塔などが重要文化財に指定されており、こちらも三井寺の見どころのひとつです。
三井寺境内の最上部には観音堂が建っており、西国三十三所観音霊場の第14番札所となっています。ここからは琵琶湖や大津市街をはるかに望むことができ、春の桜や秋の紅葉も見事です。
三井寺周辺の観光名所
三井寺の周囲にも歴史を感じさせるさまざまな名所が存在しています。
大津市役所の真裏にある弘文天皇陵は、壬申の乱で大海人皇子と争った悲劇の皇子・大友皇子の御陵とされる古墳です。
京阪石山坂本線で近江神宮駅まで行くと、天智天皇を祭る近江神宮があり、古代の時計である漏刻をつくったことから時の神として、またアニメや映画で話題の『ちはやふる』の舞台としても知られています。
三井寺の名前の由来
三井寺の名前の由来について、境内の案内板には次のとおり書かれています。
園城寺(三井寺)
Onjoji Temple (Mii-dera Temple)
天智・天武・持統の古代三帝の産湯に用いられたとされる霊泉(閼伽井屋・重要文化財)が境内にあり、平安時代前期にこの水を智証大師が天台儀式の法水に用いられたことが、園城寺の別名である三井寺の名の由来となっています。
The sacred spring water from the Akaiya Well located within the grounds of Onjoji Temple was used long ago as newborn bathing water for the three emperors Tenji, Tenmu, and Jito. In the first half of the Heian Period, this water was used by the Buddhist monk Enchin as purifying water in Tendai Buddhist ceremonies, which came to be known as the origin for the now more commonly used name of “Mildera” (literally Three-Well Temple.)