静岡市の駿府城公園の北にある静岡浅間神社は、式内社の神部神社・大歳御祖神社と浅間神社の3つの神社の総称です。高さ25メートルもある神部神社・浅間神社の大拝殿は出雲大社の本殿よりも高く、日本一の威容を誇っています。徳川家康が神社裏山に築かれていた武田方の賤機山城を攻略した際に社殿を焼き、戦勝後に社殿を再建するなと、徳川家康とも縁の深い神社です。
静岡浅間神社のアクセス方法と駐車場
静岡浅間神社は政令指定都市の静岡市の中心部にあります。JR静岡駅から静岡県庁や駿府城公園の前を経て新東名高速道路の新静岡インターチェンジへとつながる県道27号線から一本入った場所にあり、裏山にあたる賤機山はハイキングコースもある高台で緑が豊かなため、道路からも比較的目立ちます。
公共交通機関を使う場合は、東海道新幹線または東海道本線でJR静岡駅まで来て、ここからしずてつジャストラインの安倍〔新静岡-梅ヶ島温泉〕行きのバスに乗って8分、赤鳥居 浅間神社入口バス停で下車してすぐです。
マイカーやレンタカーを使う場合は、新東名高速道路の新静岡インターチェンジから、または東名高速道路の静岡インターチェンジから車で15分ほどとなっています。境内には駐車場がありますが、一般参拝客の普通車用の無料駐車場は、境内東側に面した道路「長谷通り」の真ん中に建つ通称「石鳥居」から見て右側にあります。駐車場入口に有料駐車場でよく見るゲートがありますが、基本的に参拝客は無料であり、目安としては20分以内とされています。
バスやお祓い車両の駐車場は別の入口があり、境内のさらに奥の社務所の目の前、八千戈神社の手前です。
静岡浅間神社の見どころ
静岡浅間神社の見どころはなんといっても高さ25メートルの大拝殿がメインで、国の重要文化財に指定されています。この建物は浅間造といって、富士山本宮浅間大社をはじめとする富士山の神(コノハナサクヤヒメ)を祀る神社に特徴的な2重の楼閣のようなつくりです。
裏手の賤機山には古墳があり、このうち大歳御祖神社の裏には国史跡の古墳時代後期の横穴式の円墳の賤機山古墳、山頂のほうには賤機山2号墳(麓山神社後古墳)があり、特にこの賤機山は春の桜の名所でもあり、見晴らしがよく市街地を臨めるのが魅力です。
静岡浅間神社の七社巡りと御朱印
静岡浅間神社は多くの神社の集まりで、メインの神部神社・浅間神社・大歳御祖神社のほかにも境内社として八千戈神社・少彦名神社・玉鉾神社・麓山神社があります。これら7社をすべてめぐれば願い事が叶うといわれ、俗に「七社巡り」といいます。
たとえば神部神社は延命長寿や縁結び、浅間神社は安産・子授けや夫婦円満、大歳御祖神社は事業の成功といったそれぞれのご利益がありますので、その御利益を思いながら巡るとよいでしょう。
御朱印は「静岡浅間神社」としての御朱印のほか、これらの7つの神社それぞれの御朱印があるので、通常時はつごう8種類となります。1種類につき初穂料は300円で、境内の大拝殿がある場所よりも左手にある社務所でいただけます。
ほかに祭礼の当日だけの限定御朱印があり、過去に東照宮祭や少彦名神社本殿遷座祭の限定御朱印が登場しています。これらは静岡浅間神社のフェイスブックページなどで告知されます。
静岡浅間神社のオリジナル御朱印帳は、大拝殿のイラストが入ったもので、初穂料は1000円です。
静岡浅間神社の概要
静岡浅間神社の概要について、社頭の案内板には次のとおり記載されています。
神社名 祭神名
神部神社 大己貴命(別名 大国主命)
浅間神社 木花咲耶姫命
大歳御祖神社 大歳御祖命(別名 神大市比売)静岡浅間神社
(中略)由緒 三社からなる当社は、海道屈指の名社として朝野のあつい崇敬をうけ、殊に、駿府 (現静岡市)に縁り深い徳川家康公の崇敬以来、徳川幕府の宗廟として崇められた。
(中略)
社殿 ”東海の日光”と称揚される社殿は、全二十六棟が江戸後期を代表する神社建築として重要文化財に指定されている。舞殿以外は、全て総漆塗・極彩色で、神部・ 浅間両社の「大拝殿」は、浅間造の特殊建築で棟高二十五・八米の豪壮な規模を誇り、同「本殿」の彫刻と生彩色の華麗さは、全国に比類をみない建築装飾の秀作である。特に彫刻類は、立川和四郎富昌をはじめ立川流一門の爛熟した技を凝らしている。
(後略)