不思議ならせん階段「日本三堂」のさざえ堂をもつ曹源寺

曹源寺 観光

群馬県太田市にある曹源寺は、江戸時代につくられた「さざえ堂」があるお寺として有名です。もとは新田義重が祥寿姫を供養するために建てられたのがはじまりといい、さざえ堂自体は観音堂でしたが、相次ぐ火災で堂宇を失ったため、現在はさざえ堂が本堂になっています。さざえ堂は「三匝堂」のことで、入口から螺旋階段を上り下りして出口に至るまでに同じ道を決して通らない不思議な構造をもつ3層構造のお堂です。フランスのシャンボール城にあるレオナルド・ダ・ヴィンチが考案したとされる二重螺旋階段が起源という説もありますが定かではありません。曹源寺のさざえ堂は、現存するさざえ堂のなかでも貴重なため「日本三堂」のひとつといわれます。

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曹源寺のアクセス方法と駐車場

住所 群馬県太田市東今泉町165
電話番号 0276-25-1343

曹源寺は関東七名城のひとつの新田金山城の近くにあります。マイカーやレンタカーといった車でアクセスするのであれば、北関東自動車道の太田桐生インターチェンジから車で約5分です。
公共交通は使えるものがないので、太田駅からタクシーを利用するのがよいでしょう。

曹源寺さざえ堂の拝観料と営業時間

曹源寺の境内を散策するだけであれば無料です。境内はそれほど広くはありませんが、たくさんの紫陽花が植えられており、あじさい寺としても訪れる人たちの目を楽しませています。

さざえ堂内部を拝観する場合は、さざえ堂の入り口を開けて奥に入ると受付がありますので、ここで拝観料として大人300円、中学生以下100円を支払い、パンフレットをもらってそのまま堂内の通路を進みます。
曹源寺栄螺堂の拝観時間は、10時から15時となっており、休日は特に決まっておらず、法事などのために不定期で休みとなることがあります。

堂内にはご本尊のほか秩父三十四箇所、坂東三十三箇所観音、西国三十三所観音が祀られており、3階建ての建物のスロープをぐるっとまわって上下に移動する感じです。途中では学術調査で発見された、江戸時代の参拝者たちの落書きなども見られます。

さざえ堂のなかでも有名な「日本三堂」とは

国内に現存する栄螺堂は、戦後に建てられた新しいものを除くと次の6例ほどしかありません。

現存するさざえ堂

旧正宗寺三匝堂  福島県会津若松市 国重要文化財
曹源寺本堂    群馬県太田市   国重要文化財
長禅寺三世堂   茨城県取手市   茨城県指定有形文化財
蘭庭院栄螺堂   青森県弘前市   弘前市指定有形文化財
總持寺三匝堂   東京都足立区   (西新井大師、明治時代に再建)
成身院百体観音堂 埼玉県本庄市   本庄市指定文化財、明治時代に再建

したがって、江戸時代につくられた曹源寺のさざえ堂はきわめて珍しい事例ですが、福島県会津若松市の旧正宗寺三匝堂、埼玉県本庄市の成身院百体観音堂とあわせて「日本三堂」とよばれています。

曹源寺さざえ堂の解説

曹源寺さざえ堂について、境内の案内板には次のように書かれています。

群馬県指定重要文化財 さざえ堂
所在地 太田市大字東今泉一六五番地
指定年月日 昭和五十二年九月二十日
さざえ堂は、新田氏の始祖新田義重が京都からの養姫である祥寿姫の菩提を弔うために建立したと伝えられる祥寿山曹源寺の本堂であり、寛政五年四月 (一七九三年)当時の火災のあとに再建されたものである。
構造は、江戸本所五ツ目の名刹天恩山羅漢寺の「三重堂」の構造を継承しており、大工棟梁は、京都吉田家門下で龍舞の出身町田兵部栄清である。構造上の特徴としては、本尊魚藍観音にお詣りするとき、本尊を中心にしてその周りを右回りで三回巡ると、自然と元の位置にもどって礼拝できるように造られている。しかも、参詣人が多くても途中で入り交ることのない一方通行の型式になっており、これは古いインドの礼拝の形式で「右繞三匝」と言われ、仏陀礼拝の最高の型である。インドをはじめ世界のどこの建築物にもその例をみない極めて貴重な遺構である。
お詣りをしながら、知らないうちに三階まで上り、いつかまた初めの本尊の前にもどるというちょうど栄螺の殻の中を歩くようなところから、いつしか「さざえ堂」と呼ぶようになったという。
現在、埼玉県児玉町の成身院、福島県会津若松市の正宗寺のさざえ堂と合わせて、日本三さざえ堂と言われているが、曹源寺さざえ堂が最大である。
文化財を大切に保存するようご協力ください。
太田市教育委員会

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