セカンドハウスの汲み取りトイレは簡易水洗に

トイレ 生活

まだ合併処理浄化槽が普及していなかった時期に建てられた田舎の別荘のなかには、しばしば汲み取り方式を採用しているものがあります。
この場合、汚水を独自に処理することはできませんので、しかるべき時期に専門業者に汲み取りを依頼することになります。

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汲み取り方式のトイレとは

汲み取り式のトイレは、浄化槽とは異なり、汚水をそのまま宅内にある便槽に溜め込み、定期的にバキュームカーで吸い出して排出してもらうしくみのトイレをいいます。

都市部では下水道が整備され、下水道に接続していない地域でも合併処理浄化槽の設置が奨励されるようになった昨今では、あまり見かけなくなりましたが、古い時代に建てられた田舎の別荘のなかには、いまだに汲み取り方式が採用されているものが多くみられます。

浄化槽のように法律にもとづく定期的な水質の点検であったり、酸素を槽内に送り込むためのブロワーを常時稼働させておく必要がないといったメリットはありますが、やはり衛生を保つのが難しく、臭気もきついといったデメリットのほうが上回ります。

悩みを克服できる簡易水洗トイレ

汲み取りトイレの悪臭を除き、衛生的な環境を確保するためには、浄化槽を新設して水洗トイレにしてしまうのがもっとも効果的です。
もちろん現在の便槽や便器の撤去をはじめとした費用がかかるため、トータルのリフォーム代金は60万円から100万円程度となります。
市町村によっては合併処理浄化槽の新設工事に補助金が下りることがあるため、半額程度に抑えることも可能ですが、それでも高いことに変わりはありません。

そこで汲み取り式トイレの臭気などのデメリットをできるだけ安く克服する方法として、簡易水洗トイレへのリフォームが挙げられます。
簡易水洗トイレも汲み取り方式の一種ですが、1回あたり500ml程度の水で汚物を便槽に流す方式で衛生的であり、便槽と便器の中間にフラップとよばれる開閉式の蓋がついていますので、いやな臭いをシャットアウトすることもできます。
専用の便器の調達代金を含め、工事費は30万円から60万円程度であり、浄化槽方式の水洗トイレへのリフォームよりも安価です。

簡易水洗トイレの汲み取りタイミングと料金

簡易水洗トイレの欠点として、使用のつど、便器を洗い流す水も必要となりますので、ふつうの汲み取り式トイレよりも便槽が満杯になるタイムリミットが早まってしまうことが挙げられます。

実際にバキュームカーでの汲み取りを依頼するタイミングですが、洗浄水も含めて成人1人1月100リットル程度を排出するとして、便槽の容量にあわせて計算するのが一般的です。
ただし、毎回ていねいに水で便器を洗浄するように心がけている場合ですと、体感的にはその2倍の1月200リットルもあり得ると思われます。

便槽の容量はメーカーや家族構成によってまったく異なりますが、一般住宅であれば小規模世帯向けなら480リットル槽、大規模世帯向きのもので960リットル槽あたりがポピュラーです。
すると単身世帯であっても3ヶ月から4ヶ月に1度は汲み取りが必要になる可能性があることがわかります。

実際に汲み取りを依頼する場合には、廃棄物処理法の規定により、し尿の汲み取りは許可を受けた業者のみに認められていますので、市町村役場に地域の業者を確認しておくことになります。
その際の汲み取り料金ですが、地域によって10リットルあたり50円から170円程度までとばらつきがあります。