「南禅寺」は、京都市左京区にある臨済宗南禅寺派の大本山です。亀山法皇が開基した日本初の勅願禅寺であり、京都五山の上に位置する別格とされ栄えました。
境内には巨大な山門や小堀遠州作の「虎の子渡し」の枯山水庭園、推理ドラマなどにもしばしば登場する水道が通るアーチ橋「水路閣」などの見どころも多く、京都を代表する観光スポットとなっています。
南禅寺の由緒
南禅寺の由緒や見どころについて、境内の案内板には次のように記載されています。
南禅寺
臨済宗南禅寺派の大本山で、正しくは太平興国南禅禅寺という。
亀山天皇が大宮院(亀山天皇の母)の御所として造営した離宮を、正応四年(一二九一) 無関普門禅師(大明国師)を開山として寺に改めたものである。建武元年(一三三四) には、禅寺の格付け制度である五山の制の下で京都五山の第一位となり、更に足利義満によって五山の上という最高位に位置付けられ、隆盛を極めた。
方丈(国宝)は大方丈(清涼殿)と小方丈から成り、内部の障壁画の多くは重要文化財に指定されている。小方丈には狩野探幽の筆といわれる「群虎図」(重要文化財)があり、「虎の間」と呼ばれている。また大方丈の前庭は小堀遠州の作とされる代表的な枯山水庭園で、「虎の子渡し」として有名である。
禅宗様の巨大な三門(重要文化財)は藤堂高虎が寄進したもので、楼上からは京都市街が一望できる。
境内の南東には、琵琶湖疎水の流れる煉瓦造の水道橋「水路閣」が美しく佇んでいる。京都市
南禅寺のアクセス・駐車料金
南禅寺は京都市左京区南禅寺福地町にあります。
JR京都駅からは市バス5系統でおよそ30分、「南禅寺永観堂前」バス停で下車し、徒歩10分ほどかかります。
地下鉄東西線を使う場合は、「蹴上駅」で降りてインクラインの下を貫く「ねじりまんぽ」とよばれる人道トンネルを通り、そのまま北へまっすぐ進むと南禅寺の中門の裏手に出ます。この間、徒歩5分程度です。
マイカーで南禅寺に行く場合は、名神高速道路「京都東インターチェンジ」で降りて約15キロ、30分程度です。門前に50台分の駐車場がありますが、有料となっています。普通車の駐車料金は2時間まで1,000円です。
数々のドラマにも登場した風格ある南禅寺水路閣
「南禅寺水路閣」は、琵琶湖から京都市内へと水を引くための「琵琶湖疎水」の一部をなす水路橋で、1888年(明治21年)に作られたものです。
全長は93.2メートル、高さは9メートルもあり、レンガ造りのアーチ型の風格のある外観は、数々のサスペンスドラマなどにも登場しており馴染み深いものです。
現地の案内板には次のとおりこの水路橋の由来が書かれています。
史跡琵琶湖疏水のうち「水路閣」
疏水事業は、京都府知事北垣国道の発意により、田辺朔郎工学博士を工事担当者として、明治18年に起工され、同23年に竣工した。
水路閣は、この疏水事業の一環として施工された水路橋で、延長93.17メートル、幅4.06メートル、水路幅2.42メートル、煉瓦造、アーチ構造の優れたデザインを持ち、京都を代表する景観の一つとなっている。
また、ここから西500メートルにあるインクラインは、高低差のある蹴上の舟だまりと南禅寺の舟だまりを結ぶ傾斜地に上下2本のレールを敷き、艇架台により舟を運ぶ施設で、当時の舟運による交通事情がよくうかがえる。 いずれも、西欧技術が導入されて間もない当時、日本人のみの手で設計、施工されたもので、土木技術史上、極めて貴重なものであり、昭和58年7月1日に「疏水運河のうち水路閣及びインクライン」として京都市指定史跡に指定された。
また、平成8年6月には、この水路閣、インクラインに加え、第1疏水の第1・第2・第3隧道の各出入口、第1竪坑、第2竪坑、明治36年に架設された日本初の鉄筋コンクリート橋 (日ノ岡第11号橋)、同37年架設の山ノ谷橋などが日本を代表する近代化遺産として国の史跡に指定された。
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