岐阜県高山市にある槻本神社(つきもとじんじゃ)は、旧飛騨国内の式内社のひとつです。境内にそびえる御神木のスギの木は、樹齢が1,200年以上といわれており、岐阜県天然記念物に指定されています。
槻本神社の由来
岐阜県高山市にある槻本神社(つきもとじんじゃ)は、旧飛騨国内の式内社のひとつです。六国史のひとつである『日本三代実録』によれば、平安時代の貞観9年(867)、神階として従五位上を授けられたとの記事があり、古くから崇敬されてきたことがわかります。
境内にそびえる御神木のスギの木は、樹齢が1,200年以上といわれており、岐阜県天然記念物に指定されています。この神社の名称も、境内に槻の巨木があったことにちなむと伝えられています。
そのほか、境内の案内板には次ののような説明が書かれています。
槻本神社
所在地
山口字月本一四五番地祭神
大山祇大神
節御気野神
建南方刀美神
八坂刀売神創建年代は不詳であるが、延喜(九〇一~九二三年)式内社飛騨八社の一つとして、古来より崇敬されてきた。主祭神の大山祇大神は、伊邪那岐命・伊邪那美命の御子である。
昔、境内に槻(杉)の巨木があり、自然崇拝の原始信仰時代神籬(常緑樹を供える祭壇)として神をここに祀ったものと伝えられている。この槻の巨木の陰は数里(一里は約四キロメートル)にも及んだとも言われ、社名もこの槻に起因し、この地の産土神として崇められた。
一八七一年(明治四年)社格制定により「郷社」に指定され、一九四六年(昭和二十一年)「銀弊社」に指定され現在に至っている。
覆殿で覆われた神明造りの本殿に続き、平棟造りの祝詞殿・幣殿・神楽殿・神饌殿・拝殿で構成された建造物となっている。
一八三一年(天保二年)、郡代大井帯刀源永昌によって、社号碑(田中大秀揮毫)が奉納され、一九八六年(昭和六十一年)手水舎が完成した。
祭祀は、元旦祭(一月)、春祭り(四月)、例祭(本祭り・九月)、 秋祭り(十一月)、除夜祭(十二月)が行われている。子守神社
創建年代は不詳であるが、古の昔よりこの地に祀られている子守神社は、大山祇神の御子である木花咲耶姫命を祭神とする。
流れ造りの社殿は、一九三〇年(昭和五年)に丹生川神社御旅所の熊野より移築し一九八〇年(昭和五十五年)に再建された。
昭和五年の社殿移築を機に、地区の女性が奉仕し団子撒きを行う祭りが始った。
槻本神社のスギの木
槻本神社境内、社殿の手前にそびえる御神木のスギは、目通り6.3メートル、高さ37メートルという巨大なもので、樹齢が1,200年以上といわれています。
このように貴重なものであることから、昭和54年(1979)に岐阜県の天然記念物として指定されました。
槻本神社へのアクセス
槻本神社は、中部縦貫自動車道の「高山インターチェンジ」を降りて、車で国道158号(平湯街道)を経由しておよそ15分ほどです。
公共交通機関を使う場合、JR高山駅隣接の「高山濃飛バスセンター」から新穂高ロープウェイ(福地温泉経由)行きの濃飛バスに乗って約15分、「桜小路」バス停で降りて、山口谷川に沿って東に約15分ほど歩くと到着できます。