セカンドハウスとメインの自宅とを行き来する生活を送る場合、どうしてもセカンドハウスの管理が行き届かない期間が生じてしまいます。
そのため通常の住宅の建物と違って劣化が急速に進行しやすいものですので、あらかじめ劣化しやすい箇所を覚えておくと、チェックをするのにも楽になります。
高床式の建物なら床下の破損に注意
鉾田市や鹿嶋市、行方市あたりの田舎の別荘地帯には、バブル経済の時期に谷津田を無理やり切り開いて造成した場所も数多く見られます。
こうした場所にある別荘をセカンドハウスとして活用している場合には、大雨や暴風などの自然の猛威にさらされやすく、日常的な管理ができない不在期間中に急速に劣化が進行してしまうことがあるので要注意です。
現在の一般的な住宅であればベタ基礎、最低でも布基礎が用いられており、害虫や害獣が床下に侵入するのをある程度は避けることができます。
しかし、当地の谷津田を切り開くなどして建築された物件の場合、基礎を斜面の上に立てる必要からいわゆる高床式となっており、しかもできるだけ費用を安上がりにしようとして粗末な独立基礎を用いるものが圧倒的に多くなっています。
そのため、アリやカメムシ、クモなどの害虫、ハクビシンやアライグマなどの害獣が破損した床下のすき間から、あるいは床板そのものを突き破って侵入することがあります。
いずれにしても、腐食などで劣化した床下の破損箇所をそのままにすると、害虫や害獣が室内に侵入するリスクが高まり、人が住めない環境になってしまう場合があり得ることは、十分に注意しなければなりません。
軒天や雨樋を樹木が貫通するおそれ
自然豊かな田舎の風景は都会の喧騒を忘れさせ、別荘やセカンドハウスの立地には最適といえますが、ここで立ち止まって考えたいのは周囲の樹木や雑草による建物へのダメージです。
敷地内または敷地の周囲に樹木が生い茂っている環境のもとでは、春先に伸びた枝がしばしば建物の軒天の下に入り込んだり、雨樋の継ぎ目などから中に入り込んだりすることがあります。
そのまま成長すると生育力の旺盛な枝が軒天や雨樋を突き破り、ここから雨水が浸入して雨漏りの原因となるほか、害虫や害獣のすみかにもなります。
雑草の類であっても、ツタのようなツル植物は建物を取り囲んで取れなくなってしまうことがありますので、同様に注意を要します。
こうした事態を避けるためには、やはりこまめに雑草を刈り取ったり、伸び放題の樹木の枝を切り払うしかありません。
時間的な余裕がなく自分でできないのであれば、地元で空き家管理を請け負っている不動産業者などに依頼をする方法もあります。
ウッドデッキは腐食しやすい
建物の内部から地続きで庭先に出られるウッドデッキは魅力的ですが、一般に屋根で覆われておらずむき出しの状態ですので、腐食により上を歩くと天板が抜けたり、柱ごと崩壊してしまうおそれがあります。
もちろんウッドデッキを新築する際、通常はキシラデコールを塗布するなどして腐食防止の処理をするのが一般的ですので、すぐにこのような状態となってしまうわけではありません。
しかし何年にもわたって紫外線や風雨にさらされ続けていると、塗料がはがれてしまって腐朽菌が内部に侵入しやすくなることも確かです。
部分的にダメージが見られる程度であれば、朽ちた木材を削り取って、エポキシ樹脂などで補修することは可能ですし、全体に塗料を塗り直してコーティングすることも有効です。
シロアリが繁殖して腐朽が進んでいるようであれば、そのまま放置すると建物本体のほうまで飛び火する可能性が十分にあり、場合によっては隣家にも影響が及ぶことがありますので、残念ですがやはりウッドデッキ全体を早急に撤去・処分すべきです。